こんにちは。
登山関連の小説を読みました。タイトルは「槍ヶ岳開山」です。作者は、孤高の人や武田信玄で有名な新田次郎氏。登山小説としても時代小説としても読み応えのある本でした。
登山者に人気な槍ヶ岳ですが、開山したのは誰か?と問われると知らない方が非常に多いと思います。そもそもいつ開山したのか?がわからないと思います。槍ヶ岳の開山は実は江戸時代中期には開山されていました。開山は、播隆上人というお坊さんの手で行われています。びっくりするのがこの播隆上人は、江戸時代に関わらず誰でも登山できるように鎖場を構築したころです。しかも、頂上からです。最も面白いのが当時から槍沢や槍の肩などの単語があることです。こういうのを読むと登山は人類の歴史と思えます。また登山と宗教が切っても切れないことを感じることができます。日本中の山頂にご本尊がある歴史を感じます。
この「槍ヶ岳開山」は、播隆上人の半生・・・ほぼ一生を追った小説となっています。実際内容は、山岳小説というより時代小説に近いスタイルになっています。それでも気象関係の仕事をされており、富士山でも勤務されていた新田次郎氏ならでも気象や登山の描写がされており、登山好きとしては十分楽しめる小説です。
小説としては、長編小説ですが、文庫本で400ページほどしかありません。少し頑張れば1日で読めるくらいの分量です。これから夏のさかりに槍ヶ岳へ登山したい方は、この本を読むとやる気も出るし、ロマンを感じます。ぜひ読んで頂きたい小説です。